事例

2020年研究テーマ1 「会社法」〜会社法上の犯罪

参考資料

『知りたいことがすぐわかる 図解 会社法のしくみ』 弁護士 中島成 日本実業出版社

研究の目的

会社に関するあらゆるルールをまとめた会社法の基礎を学ぶことで、経営者にコンサルティングする際の視野を広げること。

学んだこと

・実務的な感覚として、中小企業で同族会社の場合は事例があまりないのでは?
・どのように経営資金を募るかという選択肢が増えているので、注意すべき犯罪ではある。

要旨
会社法は刑法の特別法

取締役等が自身や第三者の利益のために会社の経営を危うくする、株主総会の正常な運営を害する、などを厳しく罰する。

特別背任罪

会社法§960:
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 発起人
二 設立時取締役又は設立時監査役
三 取締役、会計参与、監査役又は執行役
(以下、省略)

刑法の背任罪より重罰。

会社財産を危うくする罪

会社法§963:
第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

「誰が」
発起人、設立時取締役、設立時監査役
「何について」
設立時の出資または現物出資、設立時募集株式の払込金額、設立時の定款記載事項(現物出資に関すること、発起人について報酬その他、会社が負担する設立に関する費用)

株式の超過発行の罪

会社法§966:
次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
一 発起人
二 設立時取締役又は設立時執行役
(以下、省略)

株主等の権利の行使に関する贈収賄罪

会社法§968:
1 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使
(以下、省略)
2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。

総会屋対策のひとつ

不正の請託
経営上の不正等に対する追及を免れるため、株主総会の正常な運営を妨げることを株主に依頼し、金銭を与える等すること。

株主等の権利の行使に関する利益供与の罪

会社法§970:
1 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

・総会屋対策として利用機会が多い
・会社法§968の贈収賄罪の「不正の請託」は立証が難しい → §970では、「不正の請託」が要件になっていない

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