有料RSSは新聞購読の「次の形」となるか

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はじめに

社会保険労務士という職業柄、良い仕事をする上でも、適切な粒度の新鮮な情報が必要不可欠だ。
以前は、厚生労働省のニュースフィードをまとめたメルマガを購読していたが、数年前にそれがなくなり、代替として重宝するようになったのがRSSだ。
また、かつては読売新聞を愛読し、これと思った記事は切り抜いて整理するほど、情報源として活用していた。
しかし今や、RSSを新聞の代替としても活用している。

新聞を読まなくなった理由

私が新聞を購読しなくなって、15年以上が経過した。
なぜ購読しなくなったのか?

  • 新聞を開いて腰を落ち着けて読む時間がなくなった
  • 速報性はウェブニュースに負けるので、Yahooなどでニュースの見出しだけ流し読みするようになった
  • 新聞各社が電子版を出しているが、使い勝手がよくない
  • 欲しい粒度の記事が取れない

今は複数のRSSをまとめてポータルサイトのように利用できるサービスがあり、そのうちのひとつであるInoreaderを利用している。
RSSは新聞各社も配信しているため、NIKKEI、BBC JAPAN、Reuters JAPANを購読している。残念ながら読売新聞はなかった。また一度購読してみたものの、ノイズ(自分にとって不要なニュース、繰り返し同じ記事が出る、など)が多く、いくつかの日本の新聞社の購読をやめている。

RSSの価値に気付いていない新聞社

新聞社のRSSは、新聞の価値を十分に再現できていない。

新聞社の収益構造は、長く「紙+広告+販売店網」で成立してきた。
電子版を併用するようになっても、基本構造は変わらない。

  • 電子版は「紙の置き換え」として作られている
  • 記事の粒度やカテゴリ設計が紙の構造に引きずられている
  • RSSは「おまけ」として扱われている
  • RSSが電子版契約への誘導目的で使われていることもある

何社かRSSを購読してみた感想は下記のとおりだ。

  • 読売新聞      探してみたがRSSはなかった
  • NIKKEI       一次情報を取るのに適度な粒度で優秀
  • 毎日新聞、東京新聞 ノイズが多く、粒度が粗い
  • BBC JAPAN     一次情報を取るのに適度な粒度、海外の視点を適切に入れられる
  • Reuters JAPAN    一次情報を取るのに適度な粒度、事実の純度が高く考察が入らない

つまり、RSSの質は玉石混交、全体としては「新聞の代替」として最適化されていない。

もうひとつ、新聞購読者数が年々減少していると言われるようになってから、電子版同様、新聞社がさらに力を入れるようになったのが広告だ。
当事務所にも時々、新聞社から直接または新聞社の広告を扱う広告会社から「広告出稿のお誘い」DMが届いている。
士業やコンサル会社は広告を出しているところが少なくないので、手堅い見込み顧客なのだろう。

「紙の新聞」の市場縮小を、紙の新聞の延長線上で補おうとしていることがよくわかる。

新聞を「有料RSS」として再設計するという発想

いくつかの新聞社を含む「最適化されていないRSS」を前に私が考えたのは、新聞を「有料RSS」として再設計すべきではないかということだ。
実際、有料RSSはないか探してみたが、国内新聞社ではないようだった。

私たちが新聞に求める価値は何だろうか?

  • 事実を知れること
  • 新聞社によって思想の色はあれど客観的で公正であること
  • 読者が知りたい適切な粒度が保たれていること
  • 毎日安定して届くこと
  • 重要ニュースは速報性があること

他にもいろいろあると思うが、大きく見ると以上ではないだろうか。
実は、私たちが新聞に求めるこれらの価値はRSSで実現可能だ。

有料RSSのモデルを考えてみた。

  • 月額500〜1,000円
  • カテゴリ別に最適化されたフィード
  • ノイズを徹底的に排除
  • 記事の粒度を統一
  • 行政・経済・国際など、専門家向けの「深さ」も担保
  • 過去記事の検索性を強化
  • Inoreaderなどのフィード会社と連携

例えば私が仕事に生かす情報を取るために欲しいセットは下記だ。

  • 行政情報
  • 政策動向
  • 経済指標
  • 国際ニュース
  • 社会面ニュース

新聞社がいくつかセットを用意しても良いし、読者の好みに合わせて自由に組み合わせられる形でも良い。

海外の新聞社は「有料RSS」を持っている

数は多くないようだがいくつかの新聞社が有料RSSを持っていた。

  • The New York Times(NYT Developer API/有料プランにRSS相当のフィードあり)
  • The Washington Post(有料購読者向けRSS)
  • The Guardian(一部有料フィード)
  • Financial Times(FT Professional向けRSS)
  • The Economist(購読者向けRSS)
  • Bloomberg(有料端末契約者向けRSS)

詳細を調べてはいないが、欧米諸国を中心として海外は実利主義・合理主義の場合が多く、読者からの需要があるからこそ有料RSSを作っているのであろうし、サブスクリプションとしても手堅く、紙の新聞のための情報を再編集するだけで作ることができるRSSは新たなコストもほぼないと考えられ、今後取り扱いが増えると予測している。

おわりに

私は、新聞の未来は「有料RSS」にあると考えている。
新聞は、紙でも電子版でもなく、「構造化された情報」として再設計されるべきではないだろうか。

有料RSSとして情報を再構築することで、以下が実現できる。

  • ノイズがない
  • 粒度が安定
  • 配信コストが低い
  • 読者の情報設計にフィットする
  • 専門家向けにも最適化できる

国内新聞社が本気で有料RSSに取り組めば、私は喜んで月額を支払う。

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