経営企画室

経営労務自習室

2020年研究会テーマ2 「賃金」〜個別賃金と個人別賃金

参考資料

『改訂9版 労使のための賃金入門 賃金テキスト』 楠田丘 経営書院

研究の目的

働き方改革のうち、同一労働同一賃金、労働生産性向上等、「賃金とは何か」を基本から理解する必要が高まっている。
賃金そのものを理解し、一社一社に最適な仕組み作りをできるようにすること。

学んだこと

・中小企業の賃金水準は支払い能力だけで決定されることが少なくないが、不適切の温床となっている。
・適切に賃金表を定めることは、どのような評価をするのか、という労働者へのメッセージにもなる。
・経済の安定のためにも(マクロ的視点)、公正な個別賃金が個人別賃金決定へのスタートとなる。

要旨
個別賃金

労働または労働力の、条件設定(職種、年齢、熟練度、等)によって定まる賃金。

(個別)賃金表
・個別賃金をまとめたもの。給与テーブル。
・各人の賃金を決めるベース。
・何を基準にして設定するかで、賃金体系の性格(年功、職能資格、等)が決まる。

賃金体系・賃金水準・賃金格差が、「今」の産業社会構造にマッチしていることが重要。

ベースアップと定期昇給
ベースアップ:賃金表の改定
定期昇給:賃金表の中での、制度的な賃金格差維持

賃金水準の上昇は、ベースアップによってのみ行われる。

個人別賃金

個別賃金表をベースとして決まる、ひとりひとりの賃金。

個別賃金 → 人事諸制度 → 個人別賃金

客観的で公平な人事諸制度で個人の能力を評価し、適切な賃金水準に処遇する。

平均賃金

・個人別賃金、を1つの組織や企業の労務構成に加味して集約したもの。
・一人当たりの労務費、人件費コスト。

平均賃金は、労働分配率の尺度。

賃金水準の尺度は個別賃金。平均賃金では賃金水準を測れない。

雇用者所得

・平均賃金を、一国全体の雇用者数や労働時間数を掛けてとらえたマクロ的な賃金。
・雇用者所得=可処分所得+負担費(所得税・地方税・社会保険料等)

内需=消費性向(可処分所得の一定割合)+企業の設備投資需要+住宅投資+政府支出需要・・・

国民総需要=内需+海外需要
→ 国民総生産=国民総所得

可処分所得の一定割合が内需を構成しているため、雇用者所得への配分率が経済の安定に影響する。

賃金問題の4つの側面

賃率賃金
・個別賃金
・雇用者所得(マクロ的な賃金)

マクロ的に公正な配分 → 雇用者所得 → 個別賃金
「今」の産業社会構造にマッチしているか?

労務管理賃金
・個人別賃金
・平均賃金(適正人件費)

企業の支払い能力 → 平均賃金決定 → 個人別賃金

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