毎週日曜日のコラムです。
法改正などを身近なものと感じて頂けるよう、基本的なことをわかりやすく取り上げます。
今後、複数回にわたり現行の育児介護休業法を取り上げ、その中で4月の法改正についても触れていきます。
前回は「産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)」の内、「産後パパ育休の対象となる労働者」についてお話しました。
今回は、「産後パパ育休の申出」、についてお話します。
産後パパ育休をするには、通常の育児休業と同じく、まず事業主に対して申出をしなければなりません。
この申出にも、「申出方法」「申出なければならない内容」があります。
こちらを満たしていないと正式な申出をしたことになりません。
また「申出が可能な回数」もありますが、通常の育児休業と異なり再度の申出はありません。
(有期雇用労働者が、労働契約更新後も引き続き休業をしたい場合の、更新後の労働契約期間の初日を育児休業開始予定日としてする申出を除きます。)
どのような方法で、どのような内容を申出なければならないのか、見ていきましょう。
産後パパ育休の申出方法
原則として、書面を提出することで産後パパ育休の申出をします。
ただし、下記の場合は書面以外の方法で行うことができます。
- 事業主が下記のいずれかを申出方法として適当と認めている
- ファクシミリを利用して送信する方法
- 電子メールその他を利用して送信する方法
- 電子メールその他による申出の場合は、印刷し書面を作成できること
電子メールその他の「その他」についてですが、イントラネットやGmailなどのwebメール、SNSなどを指します。
事業主が認めた場合はこれら電子的な方法で申出をすることができます。
産後パパ育休の申出が可能な回数
1人の子につき、分割して2回まで、通算して最大28日、申出をすることができます。
分割して取得する場合は、2回目の休業についても初回の休業とまとめて申出をする必要があります。
まとめて申出をしなかった場合は、2回目の産後パパ育休の申出に対して事業主に拒否権がありますので注意しましょう。
(事業主が拒否権を行使せず認めることは可能です。)
産後パパ育休の申出に当たって申出なければならない内容
申出なければならない内容は下記です。
通常の育児休業と同じく、窓口担当者のチェック漏れや理解不足で「正式な申出」となっていないケースがありますので、提出前チェックを必ずしましょう。
必ず記載しなければならないこと
- 申出の年月日
- 労働者の氏名
- 申出に係る子の状況
- 氏名
- 生年月日
- 労働者との続柄
- 休業の開始予定日、休業の終了予定日
申出に係る子がまだ生まれていない場合は、
氏名 → 出産予定者の氏名
生年月日 → 出産予定日
となります。
特定の場合に記載しなければならないこと
- 申出に係る子以外に出生後8週間以内の子がいる場合
- その子の氏名
- その子の生年月日
- 労働者との続柄
- 申出に係る子が養子である場合
- 養子縁組の効力発生日
- 特別の事情があり、休業開始予定日の1週間前に産後パパ育休開始日を指定する場合
- 特別の事情の内容
申出に係る子以外の子について育児休業をしている場合は、申出に係る子の育児休業が開始した時に休業が終了します。
厚生労働省令で定める事由に該当しなければなりません。
詳細は今後別の回で取り上げます。
以上、「産後パパ育休の申出」について見てきました。
通常の育児休業の申出を参考にできることも多いですので、通常の育児休業の申出も確認してみてください。
次回は、労働者が産後パパ育休の申出をした後に事業主がしなければならないこと、また事業主の義務、についてお話します。
「参考資料」
育児・介護休業法のあらまし