一社労士の「芽」

情報リテラシーを養う

IT社会となり、一般人も日常生活でSNSを使いこなすようになり、YouTubeが有力なメディアとなりました。
一昔前はITと言うとインターネットで検索したり、カリスマブロガーなる人達が新時代のインフルエンサーとして登場したり、少し進んでいる個人ですとプライベートホームページやプライベートブログを運営していたり、ということでした。

その後、働き方改革が始まり、DXをどう推進するかが企業の重要なテーマのひとつとなり、コロナ禍を経てより深く高度に個人レベルまで技術としてのITを利用できることが必須能力となりました。

こう話していくと、誰しもIT技術を活用でき、日常生活は限りなく便利になり、必要な情報にいつでもアクセスできるようになったかのようですが、実際は情報リテラシーの格差が社会問題のひとつとなっています。

現在、労働局で指導員をしていますが、相談者が相談内容の前提となる基礎知識や基礎資料にすら到達できていないケースが非常に多いです。
関心のあることは目や耳に入ってきやすいと言いますし、そもそもの関心の強さもあるのかもしれません。
少なくとも自分自身で言えば、未知の事象に出会ったならググるにしろ、アナログに本などを調べるにしろ、取りあえず自己解決を図ろうとしますので。

ただし、その場で対症療法的に直接的な回答で解決をしたとしても、解決の仕方が分からなければいつまでも情報弱者からは抜け出せないんですね。
そのあたりのことは私も同僚も認識していますので、もちろん「考え方」を教えますが。

余談ですが、同業者である開業社会保険労務士でも自身でまず解決を図ろうとせず、プロであるにも関わらず安易に行政へ問い合わせをしてくる人がいます。ここのところいらっとすることのひとつです。

顧問社会保険労務士に困りごとについて連絡したにも関わらず、事業主や管理職、労働者へのヒアリングや現状調査をしない、それらをしたとしても解決策を提案しない、という顧問の場合、顧問契約を考え直した方が良いです。
事務所の大きさだけ、名前の立派さ(社会保険労務士法人とか)だけ、有名事務所での勤務経験だけ、で業務遂行能力に疑問符が付く可能性が高いです。

お話は戻りまして。
労働局での指導員としての経験も踏まえて改めて感じたのは「教育」の重要性です。

私事になりますが、顧問先の担当者でご自身でも管理的仕事は経験が少なく長けていないと仰っていた方がいました。
そのため、労務管理について課題が生じてもどう当たったら良いのか、まず困ってしまうという状況でした。

当初、その顧問先はスポットで関わらせて頂いており、スポットは仕事の完成度はもちろんスピード勝負のところもあるため、かなりハイスピードで提案し、その内容の確認を求めました。
結果、どうなったか。

完全にお客様を振り落としましたね。苦い経験です。

ただし、その仕事の進め方が根本から間違いかというとそうではなく、ある程度の経験があり課題やそれに関連する情報への適切なアクセスをできる人であれば、生産性が高い方法です。

私個人の考え方として「自分を優秀だと思わない」「同程度の人材はいくらでもいる」、だからこそ学びや挑戦を続け、自身をアップデートしていかなければならない、というものがあるため、それがマイナスに働いたことになります。
自身の「標準」をそのお客様に強いてしまったということです。

その後、そのお客様には提案をし、スポットから顧問へ切り替えました。
一気に短期間で課題確定・解決する方法ではなく、そのお客様の消化に合わせてひとつづつ指導し理解を促進していきました。
現在、顧問となって4年目ですが、理解が進まれて、新しい課題が生じた場合も「話が早く」なりました。とても優良な顧問先です。

さて。「教育」についてですが、LINE公式アカウントを利用して、無理なく理解を進められるコンテンツを考えています。

弊事務所のLINE公式アカウントは少し変わっていまして、チャットボットで疑問点を調べられるアプリを乗せています。
ただし、登録者がいまいち利用方法が理解できないらしい、クーポンなど登録者にとってお得なものを送ってもよく分からなくてブロックされてしまう、という課題が元々ありました。
そこで、アプリの使い方を動画で載せるよう、改修中です。
また、定期配信でショート動画で改正法や労務管理分野のトピックなどの配信をできるようにします。

皆さんに困りごとがあった時に、よく分からないものを調べることになったり、実はその困りごとには関係のない情報を調べてしまっていたり、といったことが少しでもなくなるよう、有用な情報により早くアクセスできる下地を整えられるものを考えています。

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