経営企画室

事例

チャットボットによるWebマーケティング~導入編

検討テーマ

Webマーケティング・ダイレクトマーケティングの新たなツールとしてのチャットボット導入について考察する。

問題の把握と分析
課題の認識

コロナ禍前より、新たなマーケティング手法としてSNSを利用したWebマーケティングが注目されていましたが、コロナ禍となり対面営業・販売が困難となった昨年より、その利用率は各段に上昇しています。
特に簡易ECサイトとしてのLINE公式アカウント利用は急増していると感じます。

その中でも、チャットボットをLINEに連携させた取引の自動化は新たな営業・販売の形態として注目すべき事柄です。

人の移動が制限される中、なんとか経済活動をしていく手段としてテレワークが一気に進み、思わぬところで働き方改革が推進される結果となっていますが、マーケティングについてもこの状況を視角を変えて好機とし、将来必ずやってくる労働力不足への対策、また移動に頼らず市場を拡大する新たな手段、としてチャットボットとチャットコマースの導入を検討してみます。

チャットボットを導入する目的を明確にする

LINE公式アカウント取得が流行っているらしい、そう言えば大手のホームページでチャット(会話)をしながら訪問者を案内するロボットを見る機会が増えた、と思い浮かんだ方もいるでしょう。
そして、電話やメールでの問い合わせに比べ回答が早いこと、営業時間の制限がないこと、に便利さを感じられたのではないでしょうか。
ロボットが対応しているので、人を専任させなくて良いのだろうなと思われた方もいるでしょう。

チャットボットは利用の仕方次第で大きな可能性を秘めています。
例えば、弊事務所がチャットボットを導入した初期目的は下記のとおりです。

  • 訪問者を自動で対応してくれる
  • 「会話」によって初めからある程度、訪問者を目的別にカテゴライズしてくれる
  • 情報不当取得や相見積目的の問い合わせを防げる
  • チャットコマースと組み合わせると決済まで自動ででき、取引の効率化を図れる

利用している企業が増えてきているからやってみようかな、という漠然としたものではなく、「もし自社の仕事をロボットが代わりにやってくれるとしたら何をやって欲しいか」を考えてみましょう。
そして、チャットボットの導入がコスト削減に繋がるならベター、新たな需要を生み出す入口になりそうならベストです。

企業規模によっては、チャットボット導入プロジェクトを立ち上げて、組織メンバーの意見を募ることも大切です。

目的を達成できる適切なシステム会社を選ぶ

チャットボットの導入目的を定めたら、その目的に合ったサービスを提供しているシステム会社の選定に入ります。

一口にチャットボットと言っても、Webでの運用に強みがあるもの、LINE公式アカウントでの連携に長けているもの、があり、またシステム会社が提供するサービスも様々です。
多くは、Web利用目的で簡易なチャットボットを自社で作成・運用する場合は無料だった、と記憶しています。
あとは会話数やチャットコマース(決済をロボットとのチャット(会話)でするもの)を利用するかしないか等で金額が変わります。

まずは1社、チャットボット運用セミナーやチャットボット無料作成ワークショップに参加し、自社で導入した時のイメージを膨らませてみましょう。
そしてそのイメージを基に、このようなことをやりたくてチャットボット導入を検討しています、と相談をしてみましょう。

弊事務所はLINE社とシステム会社の合同セミナーに参加をしましたが、セミナー後の相談会で主催のシステム会社からより適していると思われるシステム会社として現在の弊事務所の技術サポート企業を紹介してもらいました。
システム会社同士の横の繋がりですね。

チャットボットの構築をする
初回打ち合わせ

システム会社の選定後、チャットボットのシステム構築と運用についての具体的な検討に入ります。
初回の打ち合わせでは、導入目的の明確化が主なテーマとなると思います。
大切なのは目的を達成するまでの小目的=目標と混同しないことです。

正直、技術的に可能な要望であり予算が許せば、技術サポート側としてはできないことはありません。
ただし、あまりにも多くの「目的と思われること」をシステムに盛り込むと、運用の段階になって混乱を生じる可能性は低くないです。

例えば、既存顧客向けと新規顧客向けのアクションは「人」が行うとしてもだいぶ違うでしょう。
また、カスタマーサポートとしてQ&A的に使いたい場合と簡易ECサイトとして使いたい場合でもだいぶ構成は違ってくるでしょう。

それらを踏まえて目的=ゴールを明確化し、チャットボットの基本構成を決定します。

会話のシナリオを作成する

シナリオの作成とは、チャットボットの動作の元となる「会話フロー」を作ることです。
チャットボットのシステム構築において、このシナリオは最も重要なものとなります。
近いものとしては、チャートフローをイメージすると分かりやすいと思います。

実は、会話フローも含めてシステム構築なので、基本的には方向性を決めて資料を提供すればシステム会社がすべて担ってくれます。
ただ、あえて、チャットボット導入事業者の経験として、シナリオ作成は自社でされることを強くお勧めします。

理由を簡単にお話ししますと、「自社の専門領域は専門である自社が一番知っている」ということです。

例えば、簡易ECサイトとしてチャットボットを構築する場合は「物またはサービスの売買」なので、専門でなくてもある程度の精度を保ったものを作ることはできます。
ただし、その内容が顧客側からみて訴求力のあるものかというとそうではないでしょう。
ベテラン販売員と新人販売員の能力の差のようなものですね。
「人」が対応するのではないため、より「人」が対応しているようなきめ細やかさは必要だと考えます。

構築したチャットボットの動作確認をする

「会話」の数にもよりますが、チャットボットの基本的なシステム構築は1週間程でできるようです。
実際に公開する前に必ずチャットボットの動きを確認してください。
会話の流れがスムーズであることは、途中で利用者が離脱することを防ぎます。
「人」が対応しているような分かりやすさであるか、そうでない場合は例えば「はい・いいえ」形式ではなく、選択肢を増やして会話の枝分かれを増やす方が良いかもしれません。
利用者の視点に立って、使い勝手を確認してください。

チャットボットを公開する

いよいよ、チャットボットの公開です。
ここからは利用者の厳しい目でチャットボットが評価されます。

自社サイトに掲載する形で運用をされる場合は、元々アクセス数をある程度見込めるのであれば、サイト訪問者だけでまず1ヵ月様子を見ましょう。

LINE公式アカウントに連携する形で運用をされる場合は、「知られる機会」がWebでの運用より少ないですので、何らかアカウントの認知を広める方法を考える必要があります。
コロナ禍前であれば、例えば「LINEのポスター(QRコード入り)」を懇意にしている企業や店舗に掲載してもらったり、交流会等の名刺交換時にQRコードを読み込んでもらい友だち登録してもらう、といった方法が主流でした。
しかし現在の状況では、足で友だち登録者を増やすことは難しくなっています。

そこでお勧めしたいのが、LINE社の「友だち追加広告」です。

「LINE for Business」の「LINE広告」から広告アカウントを作成し出稿しますが、予算・ターゲット等を細かく指定できますし、広告運用設定を上手くできれば登録者数100人以上を早期達成することができます。

弊事務所も初回3ヵ月、2回目2ヵ月半程、で広告を出しましたが、とてもコストパフォーマンスは高かったです。
ただし、出稿時に予算や入札価格を上手く設定すること、また業種や広告時期によって入札価格が割高になるケースもあるようなので、その点は注意が必要です。

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