緊急事態宣言が全面解除されてから3週間が経とうとしています。自身はなるべく越境移動をしないようにする等の配慮を続けていますが、街の様子は宣言前とほぼ同水準の人出に戻ったと感じます。
宣言期間中、必要に迫られてのこととは言え、急速にテレワークやWeb学習が進み、日本のテレワーク本格化元年になるかと思いましたが、人の思い込みはそうそう簡単に変えられるものではないのか、IT人材がさらに不足しているのか、宣言解除後はすっかり「痛勤・痛学(ラッシュを揶揄した言葉)」が復活しています。
一方、せっかくの契機なので、国は一気にテレワークを進めたい意向のようです。先週、経済団体と共同宣言を行いました。テレワークが進まない一番の理由として挙げられている「ハンコ文化」を抜本的に見直していこう、という内容です。
ここで問題の大元に戻ります。今後ですが、COVID-19をはじめとする新型ウィルスは数年置きに爆発的に感染が拡大するそうです。数年前もSARSや鳥インフルエンザが猛威を振るいました。毎年、新型が出るインフルエンザのイメージが近いでしょうか。
そのような状況の中、今後は基本的には「新しい生活様式」で暮らすことを求められます。
大雨や台風、地震による自然災害も大きな被害をもたらすものが増えています。それらを含め、「緊急時を平時に落とし込む」という考え方の転換が必要です。
元々、テレワークは育児・介護で仕事をあきらめざるを得ない人を減らすことを大きな目的としていましたが、これも従前の考え方ですと「緊急時(普段の生活を続け難くなる)」ですね。
ただ、もはや、育児・介護問題も自然災害対応も、普通でないこととは言えない位、影響を受ける人の数が増えています。今回の社会経済活動制限からも分かるとおり、「影響を受ける少数だけを締め出しさえすれば、社会全体は変わらず回る」時代は終わったということです。
テレワークがあなたのお勤め先で進まない理由は何ですか?そしてそれは「本当の理由」ですか?「根本問題」ではなく「派生問題」ではありませんか?
終わりに、テレワークをはじめとするIT化を考える際の注意点をひとつ。
これも当然と言えば当然のことですが、「助成金をもらえると聞いたから」「ITを導入したら解決するそうだから」という理由でIT化を検討するのは止められた方が良いです。
「抱える問題の全体的な分析 → 根本問題の把握 → 業務分析 → IT導入が解決策として適する問題の特定 → 導入検討」が正しい順番です。
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