毎週日曜日のコラムです。
法改正などを身近なものと感じて頂けるよう、基本的なことをわかりやすく取り上げます。
今後、複数回にわたり現行の育児介護休業法を取り上げ、その中で4月の法改正についても触れていきます。
前回は「産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)」の内、「産後パパ育休の変更の申出等」についてお話しました。
今回は、「産後パパ育休の期間の終了・申出の撤回等」、についてお話します。
産後パパ育休の終了
産後パパ育休は下記に該当すると、労働者の意思にかかわらず終了します。
- 下記(厚生労働省令で定める事由)により、申出に係る子を養育しないこととなった
- 子が死亡
- 子と離縁、または養子縁組を取消
- 子が他人の養子になったなど、労働者と同居しなくなった
- 特別養子縁組の不成立など
- 労働者が傷病、身体または精神の障害、で子の養育が困難になった
- 子の出生日の翌日から起算して8週間を経過した
- 子の出生日以後に産後パパ育休の日数が28日に達した
- 新たな産前産後休業、産後パパ育休、育児休業、介護休業、が開始した
子を養育しないこととなった場合は、事業主にその旨を遅滞なく(※)通知しなければなりません。
子が出産予定日前に出生した場合は、出産予定日の翌日から起算します。
子が出産予定日後に出生した場合は、「出産予定日以後に」に読み替えます。
参考:産後パパ育休開始前に子を養育しないこととなった場合
下記(厚生労働省令で定める事由)に該当すると、産後パパ育休の申出がされなかったことになります。
- 子が死亡
- 子と離縁、または養子縁組を取消
- 子が他人の養子になったなど、労働者と同居しなくなった
- 特別養子縁組の不成立など
- 労働者が傷病、身体または精神の障害、で子の養育が困難になった
事業主にその旨を遅滞なく(※)通知しなければなりません。
※「遅滞なく」は一般的には1ヵ月以内が目安ですが、この通知は「育児休業の終了」に関するものなので、元々の意味どおりに「事情の許す限りはやく」と覚えてください。
産後パパ育休申出の撤回
産後パパ育休開始予定日の前日までは、産後パパ育休の申出を撤回することができます。
ただし、「撤回」は産後パパ育休を取得したものとみなされるので注意が必要です。
産後パパ育休は、分割して2回まで申出をすることができるので、2回目の休業について初回の休業とまとめて申出をしており、その後に初回の休業について撤回をした場合は、2回目の休業については予定どおり取得することができます。
ただし、まとめて申出をしなかった場合は、2回目の産後パパ育休の申出に対して事業主に拒否権がありますので、事業主が任意で取得させる場合以外は2回目の産後パパ育休を取得することができませんので注意しましょう。
以上、「産後パパ育休の期間の終了・申出の撤回等」について見てきました。
産後パパ育休の申出を撤回した場合の補足ですが、産後パパ育休とは別に通常の育児休業を取得することは可能ですので、以前に取り上げた1歳までの育児休業についても確認してみてください。また要件に該当すれば1歳以降の育児休業についても取得することは可能ですので、こちらも確認してみてください。
次回は、「産後パパ育休期間中の就業」についてお話します。
「参考資料」
育児・介護休業法のあらまし