毎週更新のコラムの臨時更新です。
法改正などを身近なものと感じて頂けるよう、基本的なことをわかりやすく取り上げます。
今後、複数回にわたり現行の育児介護休業法を取り上げ、その中で4月の法改正についても触れていきます。
前回は「産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)」の内、「産後パパ育休期間中の就業」の撤回に関する手続き、についてお話しました。
今回からは、介護休業制度についてお話します。
私が労働局で指導員をしていた時、育児休業と同じくらい介護休業に関する問い合わせはコンスタントにありました。
制度導入当初は育児休業制度ほどは利用されていなかった印象がありますが、その時代からさらに高齢化が進展し、介護休業も労働者の当然の権利として浸透してきました。
育児とは違うところも少なくなく、「現在」ではなく「将来」のお話だったとしても先に知識を得ておくことは有用です。
それではまず、「介護休業の対象となる労働者」について見ていきましょう。
要介護状態にある対象家族を介護する労働者が対象
- 日雇い労働者を除く
- 性別を問わない
男女共に要件を満たしていれば、休業の申出をすることができます。
「要介護状態」にある「対象家族」とは
- 要介護状態
- 対象家族
- 配偶者
- 父母
- 子
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
傷病、身体または精神の障害、で2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態になったことをいいます。
具体的には、「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」を参考に判断します。
ただし、基準に厳しく従うことを求められているのではありません。
介護休業の趣旨が「労働者が仕事と介護を両立できるようにすること」「介護離職を防ぐこと」にあることを忘れずに、制度を運用しましょう。
また介護保険制度とは基準が異なりますので、介護保険証を持っていなかったとしても要介護状態であると判断できることもあります。
法律上の夫婦関係であるかを問いません。
事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。
配偶者の父母を含みます。
法律上の親子関係があることが必要です。育児休業等の「子」の範囲とは異なります。
(参考:育児休業の対象となる労働者~養育する「子」とは)
また、参考にする判断基準は高齢者の介護を前提に作られているので、お子さんに関してですと判断が難しいケースもあります。
例えば座位保持、歩行、は乳児はできなくて当然ですし、水分・食事摂取や排泄も幼児の年齢によってはできないまたはお手伝いが必要なこともあります。
傷病、身体または精神の障害、によるかは医師の判断が必要なことも少なくないかと思います。
お子さんの場合と同様に判断が難しいケースもあります。
同居していることや、生計を維持していること、は問われません。
有期雇用労働者は介護休業をできるのか
介護休業の申出時点で下記の要件を満たしていれば、休業の申出をすることができます。
- 介護休業取得予定日から起算して93日+6ヵ月までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
有期雇用契約はパート労働者の他、派遣社員のケースもありますが、契約書面上の雇用契約期間だけでなく実際の運用がどうなっているかで違いが出ます。
書面上では介護休業ができない労働者に思われても、「期間の定めがない契約と実質的に異ならない状態」となっている場合は、介護休業の申出をすることができます。
労使協定で対象外にできる労働者
- 雇用期間が1年未満の労働者
- 93日以内に雇用関係が終了する労働者
- 週の所定労働日数が2日以下の労働者
多くの会社は労使協定で対象外にできる労働者を定めていますので、介護休業に関する規定を就業規則で確認するだけでなく、労使協定も確認しましょう。
他に、育児休業に同じく、特に雇用側への注意点ですが、就業規則には対象外にする労働者を定めているものの、労使協定の締結を忘れていることがあります。
労使協定の締結は労働者を対象外にできることの要件ですので、締結をするまでは対象外にできません。
こちらは、就業規則を労働基準監督署へ提出する義務がない常時10人未満雇用の事業場も同じです。
以上、「介護休業の対象となる労働者」について見てきました。
次回は、「介護休業の申出」についてお話します。
「参考資料」
育児・介護休業法のあらまし







